TSUJI GO TO MEET
PIONEER
FAMILY
#01 小野路人とご両親
神戸国際宝飾展を終えた代表・辻がその足で向かったのは、市内から少し離れた閑静な住宅街。新卒4年目の営業、小野路人が生まれ育った実家は、そこにありました。「結婚の挨拶みたいだなぁ…」小野に案内されて玄関の前までたどり着いた辻はそうつぶやき、少し照れくさそうに、でも嬉しそうな表情でインターホンを鳴らしました。
VISITOR
訪問者
Shun Tsuji
辻 瞬
取締役社長
PIONEER
開拓者
Yoshiyuki Iwata
小野 路人
営業部 部長
中古の宝石を買い取る営業部に所属。新卒4年目にして東京支社の部長代理に就任。東日本エリアの営業を統括している。
FAMILY
父
Terutsugu Ono
小野 晃嗣
地元のサッカークラブでコーチを務める父。仕事の関係で東京へ出張する際は、小野と二人でお酒を飲み交わすこともあるという。
FAMILY
母
Hiroko Ono
小野 宏子
小野がサッカーを始めるきっかけを作った母。レギュラーになれないなか、陰で努力をする路人さんを見守ってきた。
TALK 01
よくベンチから人のプレーを見ていた。
サッカー経験が宝石に活かされている?
辻
おおーっ!すごく綺麗なお家ですね。
宏子さん
辻社長が来ると聞いて、大掃除したんですよ(笑)!おかげで綺麗になりました!
辻
あれ?この写真は小野くん?
小野
そうです!小中高とサッカーをやってたので。
辻
そうだ、そうだ。言ってたなぁ。
晃嗣さん
もともとは野球少年でね。小学校1年生の途中から、サッカーを始めたんです。僕は学生時代にサッカーをしていたので、親父としては嬉しかったですね(笑)。
辻
野球からサッカーに変わったのは、どういうきっかけだったの?
小野
ある日学校から帰ったら、リビングに地元のサッカークラブの募集チラシが置いてあったんです。その時に、母親から「やってみる?」って声をかけられて。
宏子さん
そしたらこの子、「お父さんがコーチやってくれるならやる」って言ったんですよ。
辻
へぇー、お父さんっ子だったんですね。
宏子さん
主人としては自分のやっていたスポーツだから、もちろん嬉しいですよね。それがきっかけで、二人揃ってサッカークラブに入ったんです。
晃嗣さん
路人の世代は特に上手い子らが多くてね。兵庫県の県大会に出たくらいのチームなんです。今、日本代表で活躍してる堂安選手とも対戦したこともあるんですよ。
宏子さん
路人はベンチにいる時間が多かったけど、自宅でリフティングの練習をしたり、プロの試合を何回も繰り返し観ていたのを覚えています。選手の動きをよく分析するような子だったと思います。研究熱心なタイプでしたね。
辻
試合では、どんなふうに活躍してたの?
小野
結構パスを回すタイプでした。周りを見ながら活かすというか…。ただ最近、その特徴が仕事で活きてないなぁと思います。
晃嗣さん
あかんやないか(笑)!
(笑)
辻
お父さん、小野くんは今、東日本エリアの営業を統括してもらっています。
晃嗣さん
おっ!それは偉いんか!?
辻
はい(笑)。東京支社の部長代理なんですよ。入社してから破竹の勢いで成績を残してくれた優秀な営業です。
小野
いやぁ…まだまだ課題も多いです。
辻
ちょうど大変な時期かなぁと思いますね。これまではプレイヤーとして、自分で宝石の知識を勉強して、目利きを磨くことで成果を残せばよかった。でも、役職が上がってマネジメントを担う立場となると、また別のスキルなんですよね。
晃嗣さん
マネジメントの悩みって、仕事における永遠のテーマですしね。
辻
ほんとそうなんですよ。特にうちはベンチャーなので、マネジメントスキルを教育する仕組みが大手のように整っていません。体で覚えていくことの方が多いんです。毎日、もがきながら頑張ってくれてます。
TALK 02
宝飾業界への不信感…。
内定後、祖母から反対されていた。
宏子さん
でも、頑張ってるみたいでよかった。宝石業界と聞いた時は正直、驚きましたけど。
晃嗣さん
まぁ路人が決めたことなら、親はなんの心配もしていませんでした。自分の決めた道ですしね。でも、路人の祖母…私の母親が反対していたんです。
辻
どういった理由で、反対されていたんですか?
晃嗣さん
実は、私の母は宝石商を営む家庭で育ったんです。子供の頃、宝石を持ち逃げされたりして、家計で苦労した経験があったもんですから…。宝石のような高額な商品を扱う場合、悪い大人が近寄ってくるリスクもある。宝石に対する印象が悪かったんです。
宏子さん
内定が出た後、おばあちゃんから路人に直接連絡があったもんね。
小野
そうそう。「宝石はやめてほしい」って、電話がかかってきて…。僕は貴瞬以外にないと思ってたから、なんの迷いもなかったけど。
辻
そうかぁ…。でも、印象が悪いというのは、率直な意見だと思います。僕の両親も宝石を売っていたんですが、友達から両親の仕事を聞かれた時に宝石の話をすると、二言目には「あやしい」でしたから。
宏子さん
どうして、そういう印象になるんでしょうか?
辻
偽物を売りつけたり、価格を不当に高く設定する悪徳業者が一部いることも事実なんです。だからこそ、創業する時には後ろ指を刺されるような会社には絶対にしないと、強く誓いました。暗い業界だからこそ、真っ当にやっている会社が輝けると信じているんです。セキュリティの高い在庫管理やコンプライアンスにも力を入れて、経営するようにしていますね。
宏子さん
この前もテレビの情報番組で、取材されてましたもんね!!路人も映ってたやん!!
小野
数秒やったけど(笑)。撮影の時に結構喋ったはずやのに、編集でめっちゃカットされてた…。
晃嗣さん
はっはっはっ!もっと活躍せなアカンのとちゃうか!?
小野
うっ…俺、けっこう頑張ってるねんで?
(笑)
TALK 03
母の日に届いたハンドクリーム。
息子の成長を感じた瞬間でした。
宏子さん
普段の様子を辻社長から聞けてよかったわ。私からLINEしても既読スルーなので(笑)。
小野
ご、ごめん。
宏子さん
でも、母の日にハンドクリームを届けてくれたりね。なんか大人になったなぁと思う瞬間は、離れてるからこそ感じる時もあります。たぶん、辻社長が言ってくれはったんやと思うねんけど…。
晃嗣さん
あ、それは、俺がコソッと言うたんや。
宏子さん
えっ…そうなん?
小野
ど、どうやったかなぁ。
(笑)
辻
そうやって、お母さんに何かしてあげてる話を聞いて嬉しく思います。実は僕は、30代の頃に母を亡くしているんです。当時はまだ貴瞬を創業する前の時期で、うだつの上がらないサラリーマンでした。なんの親孝行もできないままだったんです。
宏子さん
そうでしたか…。
辻
霊安室で眠る母に、「ごめん」という言葉を繰り返すことしかできなくて。悔しかったですね。だからこそ、新卒の子たちには、親が生きているうちに立派な姿を見せてあげて欲しいなって思うんです。
晃嗣さん
親って、別に何かモノが欲しいわけじゃないんですよね。社長が言うように、成長した姿が何よりの親孝行ですわ。
辻
いつも言ってるんですが、社員をジュエラーにするつもりはないんです。市場価値の高いビジネスパーソンになってもらいたい。宝石というのはあくまでその土台。貴瞬を通して、社会人として力のある人間に大きく成長して欲しいんです。だからこそ、教育制度や評価制度には力を入れて取り組んでいます。
宏子さん
こうして辻社長と一緒に帰ってきた姿を見ると、社会人として大きくなったんやなぁって感じます。ほんまにありがとうございます。
辻
いえいえ!こちらこそ、力になってくれてます。
TALK 04
いま息子が追いかけているのは、
辻社長の背中。その姿を見て安心した。
晃嗣さん
辻社長と会えて、なんか荷がおりましたわ〜。
辻
え、どういうことですか?
晃嗣さん
やっぱり親父として、自分は一番じゃないとアカンって、ずーっと思ってたんです。帰ってきたら「父ちゃん、父ちゃん」って、抱きついてくるような息子でしたからね。サッカーをやると決めた時も、俺にコーチをやって欲しいと言ってくれたことも嬉しかったし。俺の背中を追ってくれている感覚がありました。
辻
あぁ、確かに…父親ならではの感覚かもしれませんね。
晃嗣さん
二人で酒を飲んでいても、会話がどんどん変わってきて成長しているのがわかるんです。路人がマネジメントの話をするようになったかぁって、しみじみ感じます。今日改めて、辻社長の人間性に惚れたんやろうなって、納得しました。
辻
いえいえ、そんな!まだまだです。
晃嗣さん
こいつが今追いかけてるのは、もう辻社長なんですよ。ちょっと寂しさもあるけど、社会に出て、心の底からついていきたいと思える人に出会えるなんて、なかなかないことです。素晴らしい会社に入ったなと思います。
辻
ありがとうございます。僕もご両親とお話ができてよかったです。社員一人ひとりにこうした背景があることを想像すると、改めて自分が背負っているものの大きさを実感しましたね。身が引き締まります。もっと会社を良くしていかなきゃなって、思わされました。
宏子さん
200人近くの社員がいるのに、そこまで考えてくれてる社長ってなかなかいないと思います。私も今日お話できて、すごく人間味のある方やなぁって安心しました。ありがとうございました。路人もたまには帰ってきてや。また社長と一緒でもいいよ(笑)。
(笑)
「ご両親にとって、小野くんの成長が何よりの幸せなんだろうなぁ」。
対談後、辻は自分に言い聞かせるように振り返りました。
およそ200人の社員を抱える貴瞬。
一人ひとりが抱える物語を想像すると重圧も感じますが、
自分を奮い立たせる大きな力になると、辻は言います。
「もっと会社を大きくしたい」。
その言葉には、新たな決意と覚悟がにじみ出ていました。
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